「久しぶり!お茶しない?」そんな何気ない誘いから始まるネットワークビジネスの勧誘。気づけばセミナーに誘われ、高額な商品を買わされていた…。そんな話、あなたの身近にもありませんか?
実はネットワークビジネスには“誘われやすい人”の明確なパターンがあります。しかも、その多くが“まじめで優しい”人ほど巻き込まれやすいという事実。この記事では、あなた自身が知らずに勧誘されてしまう原因と、その対策を徹底的に解説していきます。
「自分は大丈夫」と思っている人ほど危ないかもしれません。読むだけで“誘われない力”が自然と身につく、実践的な内容をお届けします。
なぜあなたが狙われる?ネットワークビジネスが好む人の共通点
素直で人を信じやすい性格
ネットワークビジネスの勧誘者が最も好むのは「人の話をよく聞き、素直に受け入れるタイプ」です。このような人は、相手の言葉を疑わず、「そうなんだ」「すごい!」とポジティブに反応してしまいがちです。勧誘側としては話を進めやすく、抵抗されるリスクが低いため、まさに“狙いやすい人”といえるのです。
もちろん、素直さは本来美徳です。しかし、それが裏目に出る場面もあるということを知っておくことが大切です。特に「みんなにチャンスがある」「誰でも稼げる」といった魅力的なフレーズを鵜呑みにしてしまうと、冷静な判断ができなくなってしまいます。
もしあなたが「人を疑うのは苦手」「人の良い話を信じたい」と思っているなら、まずは“情報の裏を取る”習慣を持つことを意識しましょう。ネットワークビジネスに関する第三者の意見や口コミ、過去の事例を調べてみることで、冷静な目線を保てるようになります。素直な性格は変える必要はありませんが、そこに「情報リテラシー」を加えることが、防御力を高めるカギになります。
お金や夢への欲求が強い
「経済的自由になりたい」「会社に縛られない生き方をしたい」など、強い夢や願望を持つことは素晴らしいことです。しかし、その“強すぎる願望”がネットワークビジネスにとっては“つけ入る隙”になります。特に、お金に対して不安を感じていたり、「現状から早く抜け出したい」と焦っていたりする人ほど、「短期間で稼げる」「自由なライフスタイルが手に入る」といった言葉に魅かれてしまいやすいのです。
勧誘者は、そのような人の心理を巧みに読み取り、「こんな自分でも稼げた」「これが最後のチャンスだよ」といった言葉で揺さぶりをかけてきます。現実を冷静に分析せずに、「この人もできたなら、私にもできるかも」と希望的観測だけで飛び込んでしまうケースが多いです。
夢を持つことは否定しません。ただし、夢を利用されないように、「本当に信頼できるビジネスか」「それをやらずとも夢に近づく道はないか」と一歩立ち止まって考える冷静さが必要です。夢の実現には近道はなく、地に足をつけた努力と判断が何より大切です。
断るのが苦手な人
「断るのが申し訳ない」「相手を傷つけたくない」と思ってしまう優しい人ほど、ネットワークビジネスに誘われたときに強く出られず、ずるずると話を聞いてしまう傾向があります。相手のペースに巻き込まれ、「ちょっとだけなら…」「友達だし話だけでも…」という気持ちが、気づけば契約書にサインしていたという事態にもつながりかねません。
勧誘者はそのような優しさを見抜いて、あえて“情”に訴えてきます。「あなたの成功を願ってるから声をかけたんだよ」「信頼してるから話したんだよ」という言葉は、相手の良心を利用する典型的な戦術です。
断るのが苦手な人は、あらかじめ“お断りテンプレート”を用意しておくと効果的です。例えば「今は新しいことを始めないと決めているんだ」「家族と相談してからにしている」といった、自分のスタンスをはっきり伝える言葉を練習しておきましょう。優しさは大切ですが、自分を守る術を身につけることも同じくらい大切です。
承認欲求が高い人
誰かに認められたい、褒められたい、必要とされたい――。こうした「承認欲求」は誰にでもありますが、特に強く抱いている人はネットワークビジネスにとって“最高のターゲット”になります。なぜなら、勧誘者は「あなたは特別」「すごい人だと思ってた」といった言葉で、自尊心をくすぐり、気持ちよくさせてからビジネスの話に入るからです。
このような心理操作により、本人は「やっと自分の価値をわかってくれる人に出会えた」と思い込んでしまい、ビジネスの実態に目を向ける前に、気持ちだけで参加を決めてしまうことがあります。承認欲求が強い人ほど、「周りにすごいと思われたい」「誰かに認められたい」という気持ちが強いため、成功イメージを与えられると弱いのです。
自分の価値を誰かに認めてもらうのではなく、自分自身で認めることができれば、このような誘惑に振り回されなくなります。自分が大切にしていること、自分の努力や成長を自分で肯定できるようになると、他人からの評価に左右されなくなります。
自己啓発に興味がある人
「もっと成長したい」「人生を変えたい」と意識の高い人も、実はネットワークビジネスにとっては“誘いやすい存在”です。特に、自己啓発書やセミナーに積極的に参加している人は、「夢を語ること」にポジティブな印象を持っており、その空気感を利用されやすいのです。
勧誘者は自己啓発のキーワードを巧みに使いながら、「環境を変えないと成功できない」「今の自分を変えるならこれしかない」などと語りかけてきます。また、実際に自己啓発のセミナーやイベントがネットワークビジネスの入口として使われていることも多いため、本人も気づかないうちに巻き込まれていくケースが少なくありません。
自己成長への意欲はとても素晴らしいものですが、「誰のための成長か?」を見失わないことが大切です。自分の目的や価値観に合わない方向に流されていないか、常に冷静に立ち止まって確認しましょう。
誘われやすい場面とは?気づかぬうちに近づく勧誘の瞬間
SNSでの「久しぶり!」メッセージ
ネットワークビジネスの勧誘で最近特に多いのが、SNSを使った「久しぶり!」のメッセージから始まるケースです。例えば、昔の同級生や元職場の知人から突然「元気?今度お茶しない?」と連絡が来ると、懐かしさと嬉しさからつい会いたくなってしまいますよね。しかし、この“何気ない再会”が実は勧誘の始まりというケースが急増しています。
勧誘者たちは、FacebookやInstagramなどを通じて、ターゲットになりそうな人を探しています。そして、「最近何してるの?」「実は今すごくいい働き方をしてるんだ」と話題を切り出し、徐々にビジネスの話へと誘導します。最初は何も言わずに会い、「いい場所紹介したい」とだけ伝えて誘う人もいます。
SNSは手軽で便利ですが、相手の目的を見抜くことが難しいという落とし穴もあります。「なんでこのタイミングで連絡してきたのか?」と一歩引いて考えるクセをつけることが、防御の第一歩です。SNSでの再会には慎重になりましょう。
セミナー・交流会での出会い
「自己成長」「人脈作り」「副業」などをテーマにしたセミナーや交流会は、ネットワークビジネスの勧誘者にとって絶好の“狩り場”です。そうしたイベントに参加している人は前向きで意識が高く、新しいことにチャレンジしたいと考えているため、勧誘しやすいのです。
実際には、セミナーの主催者やスタッフがネットワークビジネス関係者であるケースも多く、イベント自体が勧誘のきっかけ作りを目的としている場合もあります。イベント後の懇親会やLINE交換の際に、「実はもっとすごい話があるんだけど」と切り出されるのが典型的な流れです。
知らない場所で出会った人との関係は、最初が肝心です。少しでも「違和感がある」「やたら話がうまい」と感じたら、深く関わる前に距離を置きましょう。イベントの主催者や雰囲気も事前にリサーチしてから参加することで、自分を守ることができます。
突然の「成功体験」シェア話
一見何気ない会話の中で、「俺、最近めっちゃ稼げるようになったんだよね」「人生がガラッと変わった体験をした」など、自分の成功体験を突然語り出す人に出会ったことはありませんか?これはネットワークビジネスの典型的な導入トークの1つです。
「この人、すごいな」「私もそんなふうになりたい」と思わせることが狙いであり、感情を揺さぶって“羨ましさ”や“焦り”を感じさせるのです。そして次に、「実はある仕組みに出会ったおかげなんだ」といった形でビジネスの話が始まります。
このトークの巧妙な点は、相手に「自分から興味を持った」と思わせることです。「何それ?もっと教えて!」と言わせることで、自然な流れで勧誘に進めるようになっています。もし相手があまりに順調すぎる話をする場合は、冷静に話の裏側を探ってみましょう。本当に稼げているなら、あえて話さない人の方が多いのです。
副業や投資話の勧め方
「会社員だけでは将来が不安」「副業で月5万円稼ぐ方法、知りたくない?」といったフレーズは、特に20〜40代の働く世代を狙ったネットワークビジネスの定番トークです。最近では「NFT」「仮想通貨」「フランチャイズ」「マーケティング」などの専門用語を混ぜた話をすることで、“いかにも本格的”に見せる手法も増えています。
このような話は、最初は“情報提供”という体裁で行われるため、警戒心が薄れやすいのが特徴です。そして、「もっと詳しい話は直接会って説明するよ」「これ、誰にも言っちゃダメだよ」と秘密を共有する雰囲気を演出し、ターゲットを心理的に囲い込んでいきます。
副業や投資に関する話は、信頼できる情報源かどうかを確認することが第一です。SNSや個人ブログでしか見つからないようなビジネスは、慎重に扱うべきです。また、「人に紹介すれば収入が増える」という仕組みが出てきたら、即座に警戒するべきでしょう。
仲のいい友達からの誘い
一番厄介で、断りづらいのが「仲の良い友達」からの誘いです。勧誘する側も、「あなたなら信じてくれる」と思っているため、強い熱意と情熱をもって接してきます。しかも、最初はビジネスの話ではなく「悩みを聞いて」「ちょっと相談があるんだけど」など、感情に訴える形でアプローチしてくることが多いです。
信頼している友達からの話だと、「悪い話ではないだろう」と思ってしまいますよね。しかし、勧誘する側はビジネス上のノルマや成功のために“身近な人”を巻き込むよう指導されていることが多く、本人もそれに疑問を持っていないことがあります。
この場合は、話の内容に納得できなければ、関係を壊さないようにやんわりと距離をとることが重要です。たとえば、「あなたの考えは尊重するけど、私は別の道を進みたい」と伝えるなど、相手の尊厳を守りながら自分の意思をはっきりと示しましょう。
ネットワークビジネスに誘う人たちの巧妙なテクニック
ステータスや成功者アピール
ネットワークビジネスの勧誘では、まず相手に「この人すごい!」と思わせるために“成功者アピール”が多用されます。たとえば、高級ブランドのバッグや腕時計を見せたり、高級車やタワーマンションの写真をSNSに投稿したりと、いかにも「成功している感」を演出している人を見かけたことはありませんか?
実際には、それらの多くが「レンタル」や「撮影用」のものだったり、誰かの持ち物を借りているだけだったりすることもあります。しかし、そうした見た目のインパクトに惹かれて、「この人についていけば、自分も成功できるかも」と思わせるのが狙いです。
見せかけのステータスに騙されないためには、「なぜその人はそれを見せるのか?」と冷静に考えることが大切です。本当に成功している人は、自分からわざわざ言いふらすようなことはあまりしません。見た目や雰囲気に惑わされず、その人の言動やビジネスの中身をしっかりと見極めることが重要です。
言葉巧みに夢を見せるトーク術
ネットワークビジネスに勧誘する人は、夢を見せるのがとても上手です。「将来は世界中を旅しながら収入が入る」「時間にも場所にも縛られない生き方を実現できる」といった言葉を使い、聞いている人の想像力をかき立てます。特に、「今のままではダメだ」「変わりたいと思わないの?」といった言い回しで、不安と希望を交互に刺激するトークはとても効果的です。
このトークのポイントは、現実的な根拠を示さずに「ワクワクさせること」に集中している点です。話の中身よりも、「未来の理想像」に共感させることが目的なので、聞いている側も感情が高ぶり、「自分もそうなれる気がする」と思い込んでしまいます。
現実的なビジネスであれば、数字や仕組み、リスクについても必ず説明があります。夢を語るだけでなく、「どうやって実現するのか?」「そのためにどんな努力が必要なのか?」という部分に具体性がない場合は、一歩引いて冷静に考えるようにしましょう。
「あなたなら絶対成功する」と煽る言葉
「あなたは人間的に素晴らしい」「人脈もあるし、絶対に向いてる」――こうした言葉は、一見励ましに聞こえるかもしれませんが、実は心理的なトリックが含まれています。これは“ラベリング効果”と呼ばれ、「相手にそうであってほしい」と思わせて行動を促す手法です。
このテクニックは、特に自信を失っていたり、今の生活に不満を抱えていたりする人にとって、非常に効果的です。「そんなに言ってくれるならやってみようかな」と思わせることで、相手の意志をコントロールしていきます。
実際には、その人が向いているかどうかよりも、“始めさせる”ことが目的です。ですから、褒め言葉を受け取ったときは、それが本心からなのか、それともビジネスの一環なのかを見極める目が必要です。自分を認めてくれる言葉に嬉しくなる気持ちは自然なことですが、そこに安易に乗せられないようにしましょう。
仲間意識を使って断りづらくさせる戦略
ネットワークビジネスの勧誘では、「一緒に頑張ろう」「みんなで夢を叶えよう」といった“仲間意識”を前面に出すことで、ターゲットを取り込もうとします。これは「仲間外れになりたくない」「チームの輪を乱したくない」という日本人特有の心理を突いた戦略です。
初対面でもやたらとフレンドリーだったり、「仲間になってほしい」と言ってくる人には注意が必要です。勧誘の段階では、あえて“熱い絆”を演出することで、断ることに対して心理的なハードルを高くしています。そして、後になって「断ると裏切り者扱いされる」といった空気に包まれることもあります。
人間関係を大切にする気持ちは素晴らしいですが、その人間関係が健全なものであるかどうかを見極めることが大切です。本当にあなたを思ってくれている人なら、無理に何かを勧めたりはしません。仲間意識に訴えられたときは、一度冷静に「これは本当に自分にとって必要なことか?」を考えるようにしましょう。
最初はビジネスの話をしない仕掛け
ネットワークビジネスの勧誘でよくあるのが、最初はビジネスの話をまったく出さずに接近してくるパターンです。「ランチしよう」「最近どう?」といった軽い誘いから始まり、何度か会った後でようやく「実はちょっと紹介したいものがあって…」と切り出すのです。
これは、相手に「警戒心を抱かせない」ための戦略です。人は、一度関係性ができてしまうと、それを壊したくないという心理が働きます。そのため、仲良くなった後に勧誘されると、「せっかく仲良くなったのに断ったら悪いかな…」と感じてしまいやすいのです。
このようなケースでは、最初に「何のために会うのか?」を確認することが防御策となります。もし話の内容が曖昧だったり、急に何度も会おうとされたりする場合は、「目的を教えてほしい」とはっきり聞いてみましょう。はぐらかすようであれば、その時点で一度距離を置くことが賢明です。
誘われないために身につけたい「思考の防御力」
自分の価値観を明確にしておく
ネットワークビジネスの勧誘に巻き込まれやすい人は、自分の中に“軸”がないことが多いです。つまり、「どんな生き方をしたいか」「何を大切にしているか」といった価値観が曖昧な状態だと、誰かの価値観や言葉に流されやすくなります。
「みんなやってるから」「すごく稼げるらしいよ」という話を聞いて、つい心が動いてしまうのは、自分の基準がはっきりしていないからです。逆に、自分が何を大切にしているかが明確であれば、「これは自分に合わないな」と判断できるようになります。
たとえば、「私は安定した収入と家族との時間を大切にしたい」と考えている人なら、リスクの高いビジネスや人間関係を利用するような仕組みには警戒心が生まれます。価値観は一人ひとり違ってOKですが、自分の考えに自信を持つことで、外からの誘惑に対して強くなれるのです。
自分の価値観を見つけるためには、「何に幸せを感じるか」「何が許せないか」など、自分自身に問いかけてみることから始めてみましょう。
断る練習をしておく
「勧誘を断るのが苦手で、つい話を聞いてしまう」という人はとても多いです。しかし、はっきりと断ることができないと、いつまでも相手のペースに巻き込まれてしまいます。そこで大切なのが、「断る練習」をあらかじめしておくことです。
例えば、次のようなフレーズを覚えておくと役立ちます。
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「今は新しいことを始めるつもりはありません」
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「大切なお金なので、慎重に考えて決めたいです」
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「家族と相談してから決めます」
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「今回は遠慮しておきます。ありがとう」
大事なのは、“曖昧にしない”ことです。「また今度考える」「ちょっと気になるかも」といった言葉は、勧誘者にとっては「まだ脈あり」と判断され、さらに強くアプローチされてしまいます。
日常生活でも、小さなお願い事などで「NO」を言う練習をしておくと、いざという時にもスムーズに対応できます。断ることは悪いことではありません。自分を守るための大切なスキルとして身につけましょう。
お金や成功に対する現実的な考え方
ネットワークビジネスに引っかかりやすい人は、「すぐにお金持ちになりたい」「簡単に成功したい」といった非現実的な期待を抱いてしまっていることが多いです。ですが、本当の成功や経済的安定は、地道な努力と経験の積み重ねによって得られるものです。
「月収100万円は誰でも可能」「3ヶ月で人生が変わる」といった甘い言葉は、聞こえは良いですが、現実的に考えてそう簡単にうまくいくわけがありません。こうした言葉に騙されないためには、経済やビジネスに関する基礎知識を身につけておくことが効果的です。
また、自分の人生設計やお金に対する価値観を見直してみることも重要です。「どのくらいの収入があれば安心か」「何にお金を使いたいのか」といった現実的な数字を考えることで、無謀な話には乗らなくなります。
SNSなどで「成功者風」の投稿を見たときも、「この人の裏にはどんな努力や背景があるんだろう?」と冷静に分析する目を養いましょう。
心のスキマを埋める方法を知る
人は孤独や不安、焦りなど“心のスキマ”があるときに、ネットワークビジネスのような甘い誘いに心を動かされやすくなります。特に、「今の生活がつらい」「誰にも頼れない」と感じているときは、「これが救いかもしれない」と希望を見出してしまうことがあります。
ネットワークビジネスの勧誘者は、そうした心理を察知して、「一緒に夢を叶えよう」「あなたなら大丈夫」と優しい言葉で近づいてきます。これは一種の“心の隙間産業”とも言えるでしょう。
そのため、普段から自分の気持ちに敏感になり、「なんとなく不安だな」「最近孤独だな」と気づいたら、信頼できる友達や家族に話すようにしましょう。また、運動や趣味、読書などで気分をリフレッシュすることも効果的です。
心が安定しているときは、無理な話に対しても冷静に対応できます。だからこそ、日々の生活の中で、自分の心を整えることを意識しましょう。
信頼できる人に相談するクセをつける
もし少しでも「怪しいかも」「でも断るのも気まずい」と感じたときは、必ず第三者に相談することが大切です。ネットワークビジネスの勧誘に引っかかってしまう人の多くは、「誰にも相談せずにその場の空気で決めてしまった」というケースが多いのです。
信頼できる人に話すことで、客観的な視点から「やめたほうがいいよ」とアドバイスをもらえるかもしれませんし、何よりも自分の判断に自信が持てるようになります。友達や家族、場合によっては専門機関(消費生活センターなど)に相談することも有効です。
また、「相談すること=迷っていることを認めること」でもあるので、自分自身の中でも冷静に整理できるようになります。「なんとなく良さそう」「悪い気はしない」と思っただけの話は、必ず誰かに話してみる癖をつけましょう。1人で抱え込まないことが、巻き込まれない最大の予防策です。
巻き込まれたらどうする?対応策と被害を最小限に抑える方法
即答せず、時間を置く
ネットワークビジネスの勧誘を受けたときに最も重要なのは、「その場で即決しない」ことです。勧誘する側は、“考える時間を与えない”ことを意識して話を進めてくる傾向があります。「今決めたら特典がある」「すぐ始めないとチャンスを逃す」といった言葉で、即答を促してくるのが典型的なパターンです。
しかし、冷静な判断には時間が必要です。感情が高ぶっている状態では、リスクを正しく判断できません。まずは「少し考えたいので時間をください」ときっぱり伝えることが大切です。相手がしつこく食い下がってくるようであれば、その時点でそのビジネスに対して疑いを持つべきです。
また、その間にネットで情報収集をしたり、家族や信頼できる人に相談したりして、多角的な視点から見直しましょう。勢いで始めてしまうと後戻りができない場合もあるので、「即答しない」が最初の防御手段です。
相手との関係を一度距離をとる
もしネットワークビジネスに勧誘してきたのが友人や知人だった場合、感情的にならずに一度距離を置くことが大切です。「断ったら関係が壊れそう」と思ってしまうかもしれませんが、自分の心の健康と将来を守るためには必要な選択です。
具体的には、連絡の頻度を減らしたり、会う機会を減らしたりすることで、相手からの影響を減らすことができます。こちらから無理に説明しようとせず、「今はそういうことに興味がない」「他に優先したいことがある」とだけ伝えておけば十分です。
相手が本当にあなたのことを思っているなら、あなたの選択を尊重するはずです。逆に、「なんでやらないの?」としつこく食い下がってくる場合は、それは“友人”ではなく“顧客候補”として見られているサインかもしれません。
人間関係を保ちたい気持ちはわかりますが、自分の直感や違和感を大切にして、無理な関係は一度リセットする勇気も必要です。
消費生活センターに相談する
もしネットワークビジネスに関して不安な点がある場合、あるいはすでに契約してしまったけれど不審な点がある場合は、すぐにお住まいの地域の消費生活センターに相談することをおすすめします。
消費生活センターでは、契約トラブルや金銭問題などについて専門の相談員が対応してくれます。また、場合によってはクーリングオフの手続きや、契約解除の方法についても丁寧に教えてもらえます。相談は原則無料で、匿名での相談も可能なため、安心して利用できます。
特に、「契約時に内容の説明が不十分だった」「脅迫的に契約を迫られた」といった場合は、法律上無効にできる可能性もあります。ネットワークビジネスに関するトラブルは全国で多数報告されており、センターも十分な対応経験があります。
一人で抱え込まず、「これは少しおかしいかも」と感じた時点で、まずは相談してみましょう。あなたの判断が正しいのかどうか、客観的にアドバイスをもらえるだけでも大きな安心につながります。
契約書類は必ず見直す
もし勧誘を受けて、なんとなくその場の空気で契約してしまった場合でも、まだ間に合います。まずすべきことは「契約書類を冷静に見直すこと」です。そこに書かれている内容が、相手が口頭で説明していた内容と違っていないか、しっかりと確認しましょう。
ネットワークビジネスでは、「登録料」「商品購入の義務」「紹介人数による収益モデル」など、契約書の中に非常に多くの義務や条件が記載されている場合があります。もしわからない単語や表現が出てきたら、インターネットや第三者機関を活用して調べるようにしてください。
また、契約日から8日以内であればクーリングオフ制度を使って契約を取り消せるケースが多いです。ですので、まずは契約書類を手元に保管し、冷静に確認することが重要です。うっかり破棄してしまうと、後からトラブルになる可能性もあるので注意しましょう。
二次被害を防ぐための行動とは
一度ネットワークビジネスに関わってしまうと、さらなる“被害の連鎖”につながるリスクがあります。例えば、自分が勧誘された側から、今度は「紹介者」として他人を巻き込む立場にされてしまうこともあります。知らず知らずのうちに友人や家族を勧誘してしまい、人間関係を壊してしまう人も多いのです。
このような二次被害を防ぐためには、まず「断ち切る勇気」が必要です。そのためにも、「これは違う」と感じた時点で関係を清算し、自分の周囲の人たちに誤った情報を広めないよう意識することが大切です。
また、すでに知人に話してしまった場合は、正直に事情を話し、「誤った情報を伝えてしまったことを謝罪する」ことが誠意ある行動です。トラブルを最小限に抑えるには、早めに行動を起こすことが肝心です。
まとめ|ネットワークビジネスの勧誘から自分を守るために
ネットワークビジネスの勧誘は、巧妙な話術と心理的な揺さぶりを伴って、私たちの日常に入り込んできます。「人を信じやすい」「夢を持っている」「断れない」といった人間らしい特性は、ビジネスの世界では“ターゲット”として見られることもあるのです。
本記事では、勧誘されやすい人の特徴やよくある勧誘シーン、誘う側のテクニック、そして巻き込まれないための思考や対策について、5つの視点から解説しました。これらを知っておくだけで、不意な誘いに対しても冷静に対応できるようになります。
大切なのは、「自分の価値観を持ち、誰かの言葉に流されすぎないこと」。そして、不安なときには一人で抱え込まず、必ず誰かに相談することです。人生を左右する大きな選択を他人に委ねるのではなく、自分の意思で判断できる力を持ちましょう。
あなたの未来は、他人が決めるものではありません。自分自身の手で選び、歩んでいけるように、今日から“心の防御力”を少しずつ育てていきましょう。