「ネットワークビジネスを2つ同時に掛け持ちしたら、収入もチャンスも2倍になるのでは?」
そんな期待を抱いている人も多いかもしれません。副業が当たり前の時代、複数の収入源を持つことに関心が集まるのは自然な流れです。
しかし、実際に掛け持ちを始めてみると、意外な落とし穴やトラブルに直面することも少なくありません。この記事では、ネットワークビジネスを2つ掛け持ちする際のメリットとリスク、成功している人の特徴や戦略、そして会社選びのポイントまでを詳しく解説します。
これから掛け持ちを考えている方、あるいはすでに始めていて不安を感じている方にとって、安心して活動するためのヒントになるはずです。
ネットワークビジネスを2つ掛け持ちする人が増えている理由
副業時代にマルチを複数やる人が増えている
近年、副業解禁の流れを受けて、ネットワークビジネス(MLM)を本業とは別に行う人が増えています。その中でも特に注目されているのが、複数のネットワークビジネスを掛け持ちするスタイルです。以前であれば1つのMLMに専念するのが基本でしたが、最近では「A社とB社を同時にやってます!」という声も珍しくありません。
この背景には、「ひとつだけに依存するのはリスクが高い」「収入源を複数持ちたい」という考え方があります。また、スマホとSNSを使えば複数の案件を同時進行できる環境が整っていることも要因の一つです。
特に20代〜30代の副業層には、「1社に縛られたくない」「いろいろ試して自分に合うものを見つけたい」といった自由志向が見られます。ネットワークビジネスに対する価値観自体が変化しているのです。
とはいえ、掛け持ちには落とし穴も多いため、安易に始めると後悔する可能性も。次に紹介するSNSの影響や収入面の幻想も、注意して見ておきましょう。
SNSで広がるビジネスのチャンス
SNSはネットワークビジネスにおいて非常に強力なツールです。インスタグラムやX(旧Twitter)、TikTokなどで「この商品すごい!」「体験談聞いて!」と発信することで、全国にいる見知らぬ人にまでビジネスの輪を広げることができます。
そんなSNS時代だからこそ、複数のMLMを同時に扱うことも可能になってきました。たとえば、A社のサプリメントを紹介しながら、B社の美容アイテムも別アカウントで発信するというスタイルです。うまく分けて活用できれば、ターゲットごとにアプローチを変えることも可能になります。
しかし同時に、フォロワーからの信頼を失いやすいというリスクも。毎日違う商品を紹介していると「この人、本当に使ってるの?」と疑われるのも時間の問題です。SNSでの影響力は、常に「信頼」がベースにあることを忘れてはいけません。
稼げるチャンスが2倍になるという幻想
「2社やれば収入も2倍になる!」と考える人は多いですが、これは非常に危険な幻想です。ネットワークビジネスは、信頼関係をもとに紹介と育成を積み重ねていくモデルなので、単純に案件数を増やしても成果に直結するとは限りません。
むしろ、リソース(時間・お金・人間関係)が分散することで、どちらのビジネスもうまくいかなくなるリスクの方が高いのです。紹介者やチームのメンバーも混乱し、「本気でやってるの?」と疑われる原因になります。
また、同時進行することで目標設定や戦略がぶれてしまい、自分自身が疲弊するケースも多く見られます。掛け持ちで成功している人も確かにいますが、その背景には非常に高いスキルと強い覚悟があります。
MLM会社同士の規約が甘くなってきた?
一昔前までは、ネットワークビジネス各社の規約で「他社ビジネスの掛け持ちは禁止」と明記されていることが多く、バレたら即退会というケースもありました。しかし最近では、掛け持ちに対して比較的寛容な会社も増えてきています。
理由の一つは、副業解禁に合わせた時代の変化です。MLM企業も「本業と掛け持ちでやる」「他社の商品も併用する」という流れに対応せざるを得なくなってきたのです。ただしこれはあくまで一部の企業であり、依然として厳しい規約を持つ会社も存在します。
たとえば、ある会社では「競合商品を販売したら報酬カット」、また別の会社では「クロスリクルートは即時除名」といったルールが今でもあります。契約内容をしっかり読み、軽い気持ちで始めないことが重要です。
掛け持ちで成功している人の実例もある
実際に2つ以上のネットワークビジネスを掛け持ちして、成功を収めている人も確かにいます。たとえば、A社で健康食品、B社でスキンケア商品を紹介して、それぞれに違うターゲットを持って活動しているケースです。
こうした人たちに共通しているのは、「自己管理能力」と「情報発信スキル」の高さです。複数のプロジェクトを同時に走らせながら、それぞれのブランディングを守り、紹介者との信頼関係も崩さない工夫をしています。
ただし、こうした成功例はごく一部です。そして、そこに至るまでには綿密な戦略と多くの試行錯誤があることも忘れてはいけません。誰でも簡単に掛け持ち成功できるわけではない、というのが現実です。
掛け持ちで起こりやすいトラブルとは?
契約違反による強制退会のリスク
ネットワークビジネスを2つ掛け持ちしていると、最も大きなリスクの一つが「契約違反による強制退会」です。多くのMLM企業は、契約書に他社ビジネスの同時参加を禁じる条項を入れており、これに違反すると一方または両方の契約が無効になる可能性があります。
たとえば、「他社の製品を紹介してはいけない」「他のネットワークビジネスの勧誘は禁止」といった内容が明記されている場合、それに違反すると一発アウトです。しかも、多くの企業では「違反していたかどうか」ではなく、「疑わしい行為があっただけ」で処分対象となることもあります。
特に怖いのが、チームメンバーやライバルによる通報です。「あの人、他社もやってますよ」と会社に報告されることで調査が入り、最悪の場合は今まで築いてきたネットワークや報酬を全て失うことになります。
掛け持ちをする場合は、各社の契約内容をよく読み、どこまでが許されるのかを理解することが何より重要です。「知らなかった」では済まされない世界です。
信頼関係の崩壊と人間関係の悪化
ネットワークビジネスでは、信頼関係が命です。紹介した人との間に信頼がなければ契約にもつながりませんし、チームビルディングもできません。しかし、掛け持ちをすることで信頼を失いやすい状況が生まれます。
たとえば、A社のビジネスに誘った相手に、後からB社の話を持ち出した場合、「結局この人は何がしたいの?」と不信感を持たれることがあります。また、A社のメンバーにB社の存在が知られると、「うちのビジネスには本気じゃないんだ」と感じる人も出てきます。
さらに、掛け持ちすることでグループ内に嫉妬や不満が広がることもあります。結果として、仲間割れやチームの崩壊につながる可能性もあるのです。
人間関係は一度こじれると修復が難しく、紹介者としての信用を失えば、次のビジネスにも悪影響が出てしまいます。掛け持ちをする際は、誠実なコミュニケーションと相手への配慮が不可欠です。
情報漏洩やクロスリクルート問題
ネットワークビジネス業界でよく問題になるのが「クロスリクルート」と「情報漏洩」です。クロスリクルートとは、自分の所属する会社のメンバーに対して、他社のビジネスを勧誘する行為を指します。これはほとんどの企業で重大な契約違反とされており、発覚すれば即時退会となることが多いです。
また、掛け持ちをしていると、無意識にでもA社の戦略やリスト、資料をB社の活動で使ってしまうことがあります。これは情報漏洩とみなされ、法的責任を問われることすらあります。
特にLINEグループやZoom説明会など、オンラインでの活動が増えた現在、情報の管理が非常に重要になっています。知らず知らずのうちにトラブルの原因を作らないよう、企業ごとにしっかりと線引きをして行動することが求められます。
時間と労力の分散による失敗
掛け持ちで最も現実的な問題が、「時間」と「エネルギー」の分散です。ネットワークビジネスは、一見すれば副業感覚でできるように思えますが、実際には「人との関係構築」「情報発信」「学習」など多くの時間が必要です。
そのため、2つのビジネスを同時に進めると、どちらも中途半端になってしまうケースが非常に多いのです。「どちらも毎日対応しなければならないけど、会社員としても働いている」という状態になれば、疲れ切ってしまうのは時間の問題です。
結果として、やる気を失ったり、周囲に対する対応が雑になってしまったりして、自滅するパターンもよく見られます。目先の収入やチャンスに目を奪われず、今の自分にできること・やるべきことをしっかり見極めることが大切です。
法的な問題に発展するケースも
ネットワークビジネスに関するトラブルは、時に法的な問題にまで発展します。特に掛け持ちによって引き起こされるのが、契約違反・情報漏洩・名誉毀損などの問題です。
たとえば、A社の機密情報をB社の活動で使ってしまい、それが明るみに出た場合、A社から損害賠償請求されることもあります。また、誤った情報発信によって企業や個人の名誉を傷つけてしまい、訴えられるリスクもゼロではありません。
実際、過去にはネットワークビジネスの掛け持ちをめぐって、訴訟に発展したケースも存在します。掛け持ちは一見自由で柔軟な働き方のように見えますが、ルールを守らないと非常に高い代償を払うことになる可能性があるのです。
実際に2つ掛け持ちして成功した人の特徴と共通点
商品知識とプレゼン能力の高さ
ネットワークビジネスを2つ同時にこなして成功している人たちには、ある共通点があります。その一つが、「圧倒的な商品知識とプレゼンテーション能力の高さ」です。どちらのビジネスについても深く理解し、自信を持って説明できる人は、掛け持ちでも信頼を得ることができます。
たとえば、A社の健康食品について質問された時には、原材料の特性や効果、飲み方までしっかり答えられる。そしてB社のスキンケア製品についても同様に、自分で使った感想や、他のブランドとの違いをわかりやすく説明できる。そのような人は、相手にとって信頼できる存在として認識されやすいのです。
また、商品への理解が深いことで、セールストークに「熱意」と「リアルな体験」がこもり、話に説得力が生まれます。これが口コミや紹介につながるため、掛け持ちでも成果を出すことが可能になるのです。
時間管理能力と効率の良さ
2つのビジネスを同時に行うには、当然ながら「時間の使い方」が非常に重要になります。成功している人は、24時間という限られた時間の中で、どの時間帯に何をするかを明確に決めて行動しています。
たとえば、朝の30分はSNSの投稿作成、昼休みはチームメンバーとのLINE対応、夜はZoom説明会というように、タスクを時間帯ごとに細かく分けてスケジュールを立てています。このように日々の活動に優先順位をつけ、無駄を省くことで、2つのビジネスを並行して運用することができるのです。
また、「ToDoリスト」や「タイマー管理アプリ」などのツールをうまく使いこなしている人も多く、感覚ではなく仕組みで行動をコントロールしている点も特徴です。時間を制す者が掛け持ちを制すと言っても過言ではありません。
チームメンバーへの誠実な対応
掛け持ち成功者の共通点として欠かせないのが、「誠実さ」です。チームメンバーや紹介者に対して、自分が掛け持ちしている事実を正直に伝え、どちらのビジネスにも手を抜いていない姿勢を見せています。
逆に、「内緒で別のビジネスもやってます」といったスタンスでは、いつかバレて信頼を失ってしまいます。成功している人は、チームの人たちが「この人なら掛け持ちでも安心」と思えるよう、こまめな報連相やサポート体制の整備を行っています。
また、トラブルが起こったときも責任逃れをせず、しっかりと向き合う姿勢を持っているため、チームからの信頼が厚くなるのです。誠実さは、どんなスキルよりも信頼構築において大切な要素です。
SNSとオフラインをうまく使い分けている
掛け持ちが上手くいっている人は、SNSとリアルでの活動(オフライン)をうまく使い分けています。たとえば、A社のビジネスはInstagramを中心に発信し、B社は紹介制で対面やZoomをメインに動く、といったように、それぞれの強みを活かして運用しています。
同じSNSで両方のビジネスを混在させてしまうと、フォロワーに混乱を与える可能性がありますが、発信の場を明確に分ければ混乱を防げます。さらに、SNSではライト層へのアプローチ、リアルでは信頼関係の深い人へ紹介というように、ターゲット層に合わせた戦略的な使い方をしている点も特徴です。
このような工夫により、掛け持ちでも「それぞれのブランドを損なわずに展開」することが可能になっているのです。
一貫したブランディングで信頼を得ている
最後に注目したいのが、掛け持ち成功者は自分自身のブランディングが非常に上手いという点です。紹介している会社や商品が複数であっても、「この人から買いたい」「この人について行きたい」と思わせる力を持っています。
それは、発信内容に一貫性があり、自分の価値観やライフスタイルを大切にしているからです。「健康的な生活をサポートする」という軸があれば、健康食品も美容品も自然にリンクし、フォロワーにも違和感を与えません。
つまり、「自分が何者で、何を提供している人なのか」を明確に打ち出せている人は、複数のビジネスでもブレないのです。これがブランディング力であり、掛け持ち成功の大きな武器となっています。
掛け持ちOKなネットワークビジネス会社の特徴とは?
クロスリクルートを明確に禁止していない
ネットワークビジネスにおいて、掛け持ちを考えるならまず確認すべきなのが、「クロスリクルート」に関する規定です。クロスリクルートとは、自社のチームメンバーや顧客に対して、他社のビジネスに勧誘する行為のこと。多くの会社ではこれを固く禁じていますが、明確に禁止していない企業も一部存在します。
このような会社は、契約書や行動規範の中で、「他社活動を禁じる」といった記載がなかったり、「クロスリクルートは禁止するが、所属自体は自由」といった表現になっていたりします。つまり、個人の自由な働き方や複業に対して寛容なスタンスを取っているのです。
ただし、これがイコール「何をやっても自由」という意味ではありません。他社の製品や活動を、自社のチームや商談中の相手に勧めると、トラブルの原因になります。会社として明確な線引きがない場合でも、モラルや信頼関係を守る意識が重要になります。
他社製品の併用に寛容な制度設計
掛け持ちを考える場合、自社以外の製品を使っていること自体がNGとされる企業もあるため注意が必要です。しかし近年では、「他社製品の使用は自由」という考え方を取り入れている会社も増えてきています。これは、顧客自身の自由な選択を尊重しようという姿勢から来ています。
たとえば、A社の健康食品を紹介していても、B社のスキンケア製品を使っていることが特に問題にならないような環境です。こうした会社では、製品の独占使用を強制しないため、掛け持ちをしたとしても精神的なストレスが少なく済みます。
また、インフルエンサーやYouTuberのように複数の商材を扱う人たちも受け入れやすい体制を整えている企業が多く、柔軟性のある働き方が実現しやすいのが特徴です。
インフルエンサーや副業層を歓迎する社風
近年のネットワークビジネス企業では、従来のように「専業でフルコミットする人」だけでなく、インフルエンサーや副業として活動する人たちを積極的に受け入れる風土が広がっています。
こうした企業では、「副業でもOK」「週に数時間の活動でも報酬発生」といった仕組みが整っており、他の仕事やビジネスとの両立がしやすい環境が用意されています。これは、掛け持ちを希望する人にとって非常に大きなメリットです。
また、企業側もSNSを活用したマーケティングに力を入れているため、フォロワーがいる人や情報発信に長けた人が歓迎される傾向があります。会社が時代の変化を受け入れ、個人のライフスタイルに柔軟に対応しているのが特徴です。
副業支援ツールや研修が整っている
掛け持ちを考えるなら、「どれだけサポート体制が整っているか」も重要なポイントです。掛け持ちは、自己管理と情報整理が不可欠なため、会社側が提供するツールや研修があるかどうかで成功率が大きく変わります。
たとえば、活動管理アプリ、オンライン研修、SNS発信用のテンプレートなどを提供してくれる企業では、忙しい人でも効率的に活動が可能です。また、他社との掛け持ちに関するガイドラインや相談窓口がある場合は、トラブルを未然に防ぐことができます。
これらの支援が整っていれば、掛け持ちによる混乱を最小限に抑え、自分のペースで活動を継続することができます。特に初心者には、こうした体制が心強い味方になるでしょう。
フランチャイズに近い自由度の高さ
最後に注目すべきなのが、「ほぼフランチャイズのような自由度を持ったMLM企業」です。こうした企業は、販売者にかなりの裁量を与えており、どのように商品を売るか、誰に紹介するかといった部分も比較的自由に決めることができます。
このスタイルでは、掛け持ち自体が問題とされにくく、自分のビジネスとしてマルチブランド展開をしているような感覚で活動が可能です。もちろん信頼関係やブランディングは必要ですが、会社からの過度な縛りがないため、柔軟な働き方を実現できるというメリットがあります。
こうした企業は、比較的新しいスタートアップ系のネットワークビジネスに多く見られ、今後さらに増えていくと予想されます。
掛け持ちを成功させるための5つの戦略
どちらのビジネスも「自分の価値観」と合っているか確認する
掛け持ちで最も重要なのは、どちらのビジネスも自分の価値観やライフスタイルに合っていることです。ただ収入やビジネスチャンスだけに惹かれて選ぶと、長続きしませんし、活動がブレてしまいます。
たとえば、「健康志向でオーガニックな暮らしを大切にしている人」が、人工的なサプリメントと化粧品を売る2社を掛け持ちしていたら、どうしても発信に一貫性がなくなってしまいます。逆に、「美しさと健康の両立」という軸がある人なら、美容と健康食品を扱うビジネスの両立も可能です。
このように、自分の価値観を中心に据えて選ぶことが、信頼される発信につながります。相手に「この人は本当にその商品や会社を信じているんだな」と思わせることができれば、掛け持ちでも成功は見えてきます。
掛け持ちを始める前に、「自分がどんな生き方や働き方をしたいのか」「そのビジネスはその方向性に合っているか」を明確にすることが、最初のステップとなります。
スケジュールとタスクの明確な区分けをする
2つのネットワークビジネスを掛け持ちする際には、時間管理が成功のカギです。それぞれの活動内容が混在してしまうと、自分自身も混乱し、紹介相手やチームメンバーにも迷惑をかけてしまいます。
おすすめなのは、Googleカレンダーや手帳アプリを使って、「どの時間帯にどのビジネスをするか」を明確にスケジューリングすることです。たとえば、A社の活動は午前中、B社は夕方以降、といったように時間帯を分けることで、頭の切り替えもしやすくなります。
また、タスクごとに色分けしたToDoリストやチェックリストを作るのも効果的です。SNSの発信や説明会、資料作成などをそれぞれ分けておけば、業務が被らず効率的に進められます。
このような「時間とタスクの区分け」を習慣化することで、どちらのビジネスにもきちんと力を注ぐことができ、結果的に信頼も成果も得られるようになります。
メンバーや紹介者に対する誠実な説明
掛け持ちをする以上、紹介する相手やチームメンバーへの説明は誠実かつ正直であることが大前提です。隠して活動していると、後でバレた時に一気に信頼を失うだけでなく、トラブルに発展することもあります。
たとえば、A社のメンバーに対してB社の存在を隠して活動していた場合、「裏切られた」と感じる人もいるでしょう。それがきっかけでチームが分裂することもありますし、紹介者から契約を切られることもあります。
成功している人は、あらかじめ「自分はこの2社の活動をしている」と公言したうえで、それぞれのビジネスの良さや目的を丁寧に説明しています。そうすることで、「嘘がない」「ちゃんと考えてやっている」と理解されやすくなり、信頼につながるのです。
特にチームメンバーには定期的な報告や共有を行い、質問や不安に対して丁寧に対応することで、安心感と納得を与えるよう心がけましょう。
SNS発信に一貫性を持たせる
ネットワークビジネスの集客で欠かせないのがSNS。しかし、掛け持ちしている場合、あれこれ商品やビジネスの内容を混ぜて発信すると、「この人、何をしているのかわからない」と思われてしまいます。
だからこそ大切なのが、「一貫した世界観やブランディング」を持つことです。たとえば、「30代ママが家でできる美容と健康習慣を発信する」という軸があれば、美容系のB社も健康食品のA社も自然に組み込むことができます。
SNSで使う写真のトーンや文章のスタイル、プロフィール欄の書き方なども、統一感を持たせましょう。フォロワーが「この人は何をしている人か」がすぐに伝わることが重要です。
また、複数のアカウントを使い分けることも戦略の一つです。ターゲット層や伝えたい内容が異なる場合は、それぞれに合わせてアカウントを分けることで、混乱を避けられます。
最終的には「1本化」する覚悟を持つ
掛け持ちはあくまで「一時的な戦略」であり、最終的にはどちらかに絞っていくのが理想的です。理由は、リソースが分散し続けると深堀りできず、どちらのビジネスも中途半端になってしまうからです。
掛け持ちを通じて、「どちらが自分に向いているか」「どちらが継続しやすいか」を見極め、最終的には自分が本当にやりたい方に注力していく覚悟を持つことが重要です。
成功している人たちも、最初は複数のビジネスを試していたものの、一定の期間で絞り込みを行い、そこに集中してブレイクスルーを果たしています。
つまり、掛け持ちは「比較・検証・学習」のための期間であり、そこから本命を見つけて突き進むのが本来の目的。自分のビジネス人生をどうデザインするかを意識して、計画的に進めることが大切です。
まとめ
ネットワークビジネスを2つ掛け持ちするという働き方は、副業解禁やSNS時代の後押しもあり、徐々に選択肢の一つとして認知されつつあります。しかし、そこにはチャンスだけでなく、数多くのリスクや注意点も潜んでいます。
掛け持ちを成功させている人たちは、商品理解、誠実な対応、時間管理、ブランディングといった基本を徹底し、自分の価値観に合ったスタイルで活動しています。一方で、契約違反や信頼の喪失、法的リスクといった深刻なトラブルに発展するケースも多く、慎重な判断が求められます。
重要なのは、「今の自分がなぜ掛け持ちをしたいのか」「何を実現したいのか」を明確にし、両方に本気で取り組む覚悟と計画を持つこと。そして最終的には、自分にとって本当に価値のあるビジネスを見極め、1本に絞る決断も必要です。
正しい知識と戦略があれば、ネットワークビジネスの掛け持ちは新しい可能性を切り拓く手段にもなります。ですが、軽い気持ちで始めるのではなく、深く理解した上で慎重に進めていきましょう。