「副業で月10万稼げる方法、興味ありませんか?」「自由な働き方を実現した友達と話してみない?」そんなLINEメッセージを一度でも受け取ったことがある方、要注意です。それ、もしかしたらネットワークビジネスの勧誘かもしれません。
最近では、対面ではなくSNSやLINEを使ったネットワークビジネスの勧誘が急増しています。とても自然な会話から始まり、気がついたらセミナーに誘われていた…そんな経験をした人も多いのではないでしょうか?
この記事では、LINEで行われるネットワークビジネスの実態や特徴、見分け方、トラブルを防ぐためのポイントまで、実例を交えながらわかりやすく解説します。知らなかったでは済まされない、大切な情報をしっかりチェックして、あなた自身を守りましょう。
ネットワークビジネスとは?LINEとの関係性を知ろう
ネットワークビジネスの基本的な仕組み
ネットワークビジネス(別名:マルチ商法)は、「商品やサービスを販売する人が新しい販売者を紹介し、その紹介者からも報酬を得る」という仕組みを持つビジネスモデルです。ピラミッド型に組織が広がっていくのが特徴で、上にいる人ほど多くの収入を得られる可能性があります。このモデルでは、製品を売るだけでなく、人を「紹介」して増やすことが非常に重視されます。
一方、一般的な副業やフリーランスの仕事とは違い、最初に商品購入や入会金などのコストがかかるケースが多く、収入を得るまでに人脈づくりや勧誘活動が必要不可欠です。また、仕組みそのものは合法であっても、その運用方法次第では「違法な連鎖販売取引(ねずみ講)」とみなされることもあります。
最近では、特に若い世代をターゲットにしたSNSやLINEを使ったネットワークビジネスの勧誘が目立ってきており、従来の対面営業とは異なる手法で広まっています。
LINEを使うことで相手との心理的な距離が縮まり、より親しみやすい形でアプローチできるため、ビジネスの拡大に活用されているのです。しかし、そこには「勧誘されている」と気づかれにくい巧妙な仕組みも隠れており、注意が必要です。
なぜLINEが使われるのか?
LINEがネットワークビジネスの勧誘に使われる一番の理由は、その「手軽さ」と「身近さ」にあります。LINEは日本国内で非常に普及しており、連絡手段として日常的に使われているアプリです。そのため、電話やメールよりも返信率が高く、自然な形でコミュニケーションが取りやすいというメリットがあります。
また、LINEは1対1のチャットだけでなく、グループ機能やオープンチャットなども活用できます。これにより、「ビジネスに興味がある人だけを集めたグループ」を作ることで、勧誘の効率を高めることができます。さらに、既読機能によって相手がメッセージを読んだかどうかもわかるため、タイミングを見て追い打ちをかけることも可能です。
LINEのプロフィールには名前や写真、ステータスメッセージなども自由に設定できるため、「成功している雰囲気」を演出することも容易です。例えば、高級車や旅行の写真をアイコンにしたり、「自由なライフスタイルを手に入れた」などの一言を入れることで、見た人に憧れや興味を持たせる仕掛けがされています。
このように、LINEはビジネス勧誘の「入り口」として非常に便利なツールであるため、多くのネットワークビジネス関係者が利用しています。
LINEでの勧誘の具体的なパターン
LINEでの勧誘は一見すると普通の友達付き合いのように見えますが、実は緻密に設計されたパターンがあります。最も多いのは、SNS(InstagramやXなど)での接点をきっかけにLINE交換を持ちかけ、その後に少しずつビジネスの話を切り出す方法です。
最初は「気軽な雑談」から始まり、「将来の夢」や「仕事の悩み」など深い話題へと発展させます。相手の不安や不満を引き出し、「自分も昔は同じだったけど、今はこのビジネスで変われた」と話を展開します。そこで「詳しい話は一度会ってみない?」と自然にオフラインでのアポイントにつなげるのです。
また、直接的に「ネットワークビジネス」とは言わずに、「自由に働ける仕事がある」「副業で月10万円以上稼げた」といった曖昧な表現で興味を引きます。ここで相手が「やってみたい」と言えば、勧誘側のペースに乗せられてしまうのです。
これらのやりとりは非常にスムーズで、心理的な壁を感じさせないように工夫されています。そのため、途中で違和感に気づいても断りにくいと感じる人が多いのが特徴です。
LINEの特徴が勧誘に合っている理由
LINEの最大の特徴は「相手との距離が近く感じる」という点です。普段から友人や家族と連絡を取るツールであるため、新しく知り合った人ともLINEで話すと「親近感」が生まれやすくなります。この心理的な効果を活用して、勧誘者は距離を縮めるのです。
また、テキストメッセージだけでなく、スタンプや写真、ボイスメッセージ、ビデオ通話などさまざまなコミュニケーション手段があることで、より自然な形でつながりを維持できます。これは、勧誘活動を長期間にわたって継続する上で非常に有利です。
さらに、LINEのメッセージは記録として残りにくいため、トラブルが起きても証拠が残りにくいという側面もあります。これは法律的にはリスクですが、逆に勧誘する側からすれば都合の良い点でもあるのです。
このような理由から、LINEはネットワークビジネスのツールとして非常にマッチしているといえます。
法律的に問題はないのか?
ネットワークビジネス自体は「特定商取引法」に基づいて合法とされていますが、運用方法によっては違法になることもあります。特に、LINEを使った勧誘の場合は「事前にビジネス内容を明示しない」「断っても連絡が続く」などの行為が問題視されるケースがあります。
たとえば、「友達として接近して、実はビジネスの勧誘だった」というのは、特商法上の「不実告知」にあたる可能性があります。また、未成年に対して商品購入や契約をさせると、契約が無効になる場合もあります。
さらに、LINEで個人情報(住所や口座番号など)をやりとりしてトラブルになったケースも多いため、利用者側も十分な注意が必要です。万が一トラブルに巻き込まれた場合は、消費生活センターや法律相談窓口などに早めに相談することが重要です。
LINEで勧誘されるネットワークビジネスの特徴とは?
よくある勧誘メッセージの文例
ネットワークビジネスにおけるLINEでの勧誘は、一見するととても普通の会話から始まります。たとえば、以下のようなメッセージが典型です:
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「最近、時間に縛られない働き方を始めて自由になったよ!」
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「副業で月5万稼げるって知ってる?」
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「ちょっと話してみたいことがあるんだけど、時間ある?」
このようなメッセージの共通点は、「ビジネス」や「ネットワーク」という言葉を使わずに、相手の興味を引こうとしている点です。具体的な内容を伏せながら、聞き手に「何の話なんだろう?」と好奇心を持たせる戦略が取られています。
また、LINEは感情表現がしやすいツールなので、スタンプや絵文字を多用して、親しみやすい雰囲気を作るのも特徴です。こうした演出により、相手は勧誘されていると気づきにくく、つい話を聞いてしまうという構図が出来上がります。
実際のビジネス名が出にくい理由
LINE上での勧誘では、具体的な会社名やビジネス名がなかなか出てこないことが多いです。これは意図的にぼかしている場合がほとんどで、「会社名を出すと検索されて悪い評判を見られるから」という理由が背景にあります。
また、勧誘する人自身も、自分がしているビジネスが批判を受けやすいことを理解している場合が多く、「会ってから説明する」と濁すことで相手の判断を先延ばしにさせています。心理的に一度会ってしまうと断りにくくなるため、実際に会うまでビジネス内容を明かさないのは非常に効果的な戦術なのです。
さらに、検索されることを避けるために「収益モデル」「コミュニティ」「サロン」といった抽象的な言葉を使うのも特徴です。これはネットリテラシーが高い若者にも対応するための新しい手法とも言えます。
SNSとの連携活用が増えている背景
最近では、LINE単体での勧誘にとどまらず、InstagramやX(旧Twitter)などのSNSと連携したアプローチが増えています。たとえば、SNSで「稼げてる感」を出す投稿を日々行い、その中で「興味がある人はLINEしてね」と誘導する方法です。
SNSでの投稿内容は、高級ホテルやカフェでの食事風景、ブランド物を身につけている写真、旅行の様子など、「成功している自分」を演出したものが中心です。これらを見た人は「この人、なんかすごそう」と感じ、自然と連絡を取ってしまうのです。
こうした流れは、ネットワークビジネスを「憧れのライフスタイル」と結びつけるテクニックで、ターゲットに自分もその一員になれると錯覚させることが目的です。LINEはこの“仕上げ”として、より具体的な話に引き込むための役割を担っています。
勧誘者のLINEプロフィールの傾向
LINEのプロフィール設定も、ネットワークビジネスにおけるアピールの場となっています。勧誘者の多くは、次のような傾向があります:
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プロフィール画像に高級車やリゾート地の写真を使用
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ステータスメッセージに「時間に縛られない生き方を実現中」などの自己アピール
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名前が本名ではなく、ビジネス風のカタカナ名やあだ名(例:「TAKUYA@自由な生き方」)
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タイムラインに“成功者との写真”や“セミナーの様子”などを投稿
これらの設定は、「自分は自由な人生を手に入れた」「今の働き方がうまくいっている」といった印象を与えるためのもので、あくまでブランディングの一環です。受け手は無意識のうちに「この人は信頼できるのかも」と思い込みやすくなります。
グループLINEの活用法
ネットワークビジネスの勧誘では、1対1のやり取りだけでなく、グループLINEが積極的に使われることもあります。たとえば以下のような使い方があります:
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「初心者向け無料セミナー」の案内グループ
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「稼いでいる人の声を共有する」サポートグループ
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「成功者の考え方を学ぶ」情報共有グループ
これらのグループには、勧誘された人と、既に活動しているメンバーが一緒に参加しており、あたかも活発なコミュニティのように見せかけられています。ここで「みんなが本当に稼いでいる」という雰囲気を感じ取らせ、安心感と期待を抱かせるのです。
また、グループ内では特定の「成功例」や「体験談」が投稿され、参加者のモチベーションを高めるように設計されています。実際には仕組まれたやらせ投稿であることも少なくありません。
ネットワークビジネスでよく使われるLINEのテクニック
信頼感を作る「雑談戦略」
ネットワークビジネスの勧誘では、いきなりビジネスの話を持ち出すのではなく、まずは「雑談」から始めて信頼感を築くのが基本戦略です。LINEはそのための最適なツールです。日常会話や共通の趣味の話、共感できる内容(例:将来の不安や職場の愚痴)などを交えながら、あくまで「友達の延長線上」のような関係を築いていきます。
この雑談は、相手の警戒心を取り除くことが最大の目的です。例えば、「最近どんな映画観た?」や「仕事忙しそうだけど体調大丈夫?」といった自然な会話の中で、信頼を得ることに徹します。そしてある程度仲良くなったところで、「実は最近、ちょっと面白い働き方しててさ」という風に、ビジネスの話を切り出す流れが一般的です。
また、定期的に連絡を取って「気にかけているアピール」をすることも忘れません。これにより、「この人は私のことをちゃんと見てくれてる」と感じやすくなり、勧誘に対しても心を開きやすくなるのです。いわば、LINEの雑談は勧誘の“土壌作り”といえる存在です。
定期的なイベント招待の仕掛け
ある程度関係ができた相手に対しては、「イベントへの招待」が次のステップになります。LINEを使ってセミナーや説明会の案内を送ることで、オフラインまたはZoomなどのオンラインでの接触につなげるのです。
たとえば以下のようなLINEメッセージが送られてきます:
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「今週末、成功者の話が聞けるイベントがあるんだけど興味ない?」
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「初心者向けの無料体験セミナーがあるから、もし暇だったら来てみない?」
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「今度、人生が変わった仲間たちとお茶会するんだけど、一緒に来る?」
このような誘い方には、「勧誘されてる」というより「ただ誘われただけ」と思わせるテクニックが使われています。また、「断る理由がない雰囲気」を演出するために、“無料”“初心者歓迎”“強制なし”などのワードも多用されます。
LINEはこうしたイベントのリマインドや、開催後のフォローにも使えるため、継続的な接触手段としても非常に有効です。
「みんなやってる感」の演出法
ネットワークビジネスでは、「周りのみんながすでに始めている」「成功している人が多い」という印象を与えることがとても重要です。LINEではこの「みんなやってる感」を自然に演出するために、以下のようなテクニックが使われます:
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複数人のLINEグループで成功者の体験談を共有
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「○○さん、月収30万達成おめでとう!」といった投稿を連投
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スタンプや絵文字で盛り上げて、活気ある雰囲気を演出
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他の参加者が「やってよかった」と感想を送る(実は仕込み)
このような演出によって、「自分だけが参加していない」「置いていかれそう」といった感情が芽生えやすくなります。これを心理学では「バンドワゴン効果」と呼びます。つまり、多くの人がやっていることに対して、自分も安心して乗っかりたくなるという心理です。
LINEでの情報共有はリアルタイムかつカジュアルなので、こうした集団の熱量を伝える手段として非常に効果的です。
ブロックされにくい話し方
LINEでの勧誘では「相手にブロックされないこと」が非常に重要です。そのため、話し方にも工夫が凝らされています。ポイントは“押しつけ感”を出さないことです。たとえば以下のような表現が使われます:
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「無理に勧めたいわけじゃないけど」
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「ちょっとでも興味あるなら話聞くだけでもOK」
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「自分に合わないと思ったら全然やらなくていいよ」
このように「あなたの自由ですよ」と選択肢を与えるような言い回しが多用されます。また、最初から長文を送らず、短文で少しずつやりとりを続けることで相手に負担をかけない配慮も見られます。
さらに、相手の性格や反応をよく観察し、「共感できる話題」に切り替えたり、ペースを合わせたりと、心理的な距離を測りながら会話を進めていきます。これにより、ブロックされずに関係を維持しやすくなるのです。
断りにくい心理をつくるやりとり
ネットワークビジネスの勧誘では、「断りたいけど言いにくい」と思わせる心理状態に相手を持っていくことがしばしばあります。LINEはそのためのツールとしても非常に適しており、次のようなやりとりがよく使われます:
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「あなたにならぜひ話したいと思ってたんだ」
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「前からあなたの真面目なところ尊敬してた」
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「忙しい中でも聞いてくれてありがとう」
このように“特別感”や“感謝の気持ち”を伝えることで、相手は「この人の気持ちを無下にできない」と思ってしまいます。また、過去に何度かLINEで助けてもらった経験があると、その恩を感じて断りづらくなる「返報性の法則」も働きます。
さらには、「時間を作ってくれたことに対しての謝意」や「無理にとは言わない」と前置きしながら、実際には強く誘導してくるのも特徴です。これにより、表面的には優しさがあるように見えて、実は相手の決断をコントロールしているというケースが非常に多いのです。
LINEを使ったネットワークビジネスのトラブル事例と対処法
実際のトラブルケース(詐欺・勧誘強要)
LINEを利用したネットワークビジネスの勧誘は、表面上は友達のようなやりとりに見えることが多いですが、その裏には深刻なトラブルが潜んでいるケースもあります。特に多いのが「詐欺まがいの勧誘」や「強引な契約の押しつけ」です。
実際の相談事例としては、「気軽な副業のつもりで始めたら、高額な初期費用(10万円以上)を請求された」「勧誘されたセミナー会場で囲まれて断れなかった」などがあります。中には、「LINEでしつこく連絡され、断っても通話やメッセージが続いた」「紹介者との関係を壊したくなくて断れなかった」という心理的な圧力による被害もあります。
また、稼げると聞いて始めたのに全く収入が得られず、結果的に借金をしてしまうケースも後を絶ちません。中高生や大学生など、まだ社会経験の浅い若者がターゲットになることも多く、早期の対策が必要です。
こうしたトラブルを未然に防ぐには、LINEで話が進んだ段階でも「すぐに会わない」「すぐに契約しない」「その場で判断しない」という3つのルールを守ることが重要です。
個人情報の取り扱いに関する注意
LINEは手軽に連絡が取れる反面、個人情報が安易にやりとりされる場でもあります。ネットワークビジネスの勧誘においては、名前・住所・電話番号・銀行口座などの情報を「登録のため」「振込のため」などと言って聞き出す場面があります。
一度個人情報を渡してしまうと、後から勧誘がエスカレートしたり、他の業者に情報が流されるリスクもあります。特に悪質なグループでは、「成功者の事例として使わせて」と言って顔写真をSNSに載せられることも。
また、LINEのIDやQRコードを拡散されることによって、知らない相手からも次々に勧誘が来るケースも確認されています。このような二次被害を防ぐには、LINEのプライバシー設定を強化し、不審な相手には絶対に個人情報を渡さないという意識が必要です。
ブロック・通報の適切なタイミング
もしLINEでのやりとりが「これはネットワークビジネスの勧誘かも」と感じたら、早めにブロックや通報を検討しましょう。勧誘者の多くは“断られない雰囲気”を作ろうとしますが、あなたには「NO」と言う権利があります。
勧誘だとわかった瞬間にブロックしても問題ありません。また、しつこいメッセージが続く場合や、何度もイベントに誘われる場合は、LINEの通報機能を使って運営に報告することも可能です。
通報するには、相手のプロフィール画面から「通報」を選び、理由を選択するだけ。該当するカテゴリには「スパム・詐欺」「迷惑行為」「不快な内容」などがあります。実際に違反が確認されれば、相手のアカウントに制限がかかることもあります。
大切なのは、相手に遠慮せず、自分のペースで対処すること。連絡が来ても無視する、返信しないという選択ももちろんOKです。
トラブルを防ぐためのLINEの設定方法
ネットワークビジネスなどの迷惑勧誘から自分を守るには、LINEのプライバシー設定を見直すことが重要です。以下の設定を確認・変更しておきましょう:
設定項目 | 推奨設定 | 理由 |
---|---|---|
IDによる友だち追加を許可 | OFF | 勧誘者が勝手に検索できなくなる |
QRコードでの追加 | 公開しない | 無断で拡散されるリスク回避 |
タイムラインの公開設定 | 友だちまで | 情報の悪用を防ぐため |
プロフィールのステータスメッセージ | 控えめに | 「狙われやすいワード」を避ける |
通知のブロック | 必要に応じて | 不要な連絡をシャットアウト |
LINEには細かいプライバシー設定があるので、使い慣れていない人ほどしっかりチェックしておくと安心です。特に、SNSと連携している人はより慎重に取り扱いましょう。
消費生活センターへの相談の流れ
もしネットワークビジネスの勧誘でトラブルに遭ったり、不安を感じたりした場合は、一人で悩まずに「消費生活センター」に相談しましょう。消費生活センターは、消費者の悩みを聞いて適切なアドバイスをしてくれる公的な機関です。
相談は無料で、電話やインターネットからも可能です。「消費者ホットライン」188(いやや)という短縮番号を使えば、最寄りのセンターにつながります。
相談の際には、LINEでのやりとり内容(スクショ)、契約書類、支払いの記録などがあればよりスムーズに対応してもらえます。「このまま続けて大丈夫なのか」「返金は可能か」など、専門家の意見を聞くことで冷静な判断ができます。
また、万が一被害が大きくなった場合には、弁護士など法律の専門家と連携して対処することも可能です。自分を守るためにも、相談は早めに行うのが鉄則です。
ネットワークビジネスかも?LINEでの見分け方と注意点
「副業」「稼げる」などのワードに注意
LINEで届くメッセージの中に「副業」「自由な働き方」「月10万円稼げる」などの言葉があった場合は要注意です。こういった言葉はネットワークビジネスの勧誘によく使われる“入り口ワード”です。特に、「初期費用ゼロ」や「スマホだけでOK」といった、都合の良い情報ばかり並んでいる場合は、裏に何かある可能性が高いです。
本当に安全で健全な副業であれば、仕事内容やリスク、報酬体系などをはっきり明示するはずです。しかし、ネットワークビジネスではあえて情報を曖昧にして、「詳しくは会ってから」「LINE通話で話そう」と持ちかけてきます。
また、LINEで勧誘してくる相手は、実際の仕事内容やビジネスモデルについて触れずに「自分の成長」や「仲間とのつながり」など、抽象的な話に終始する傾向があります。これは検索を避けるためでもあり、相手に考える時間を与えないようにしているのです。
こうした言葉や流れに少しでも違和感を覚えたら、それは勧誘のサインかもしれません。まずは冷静に、LINEのやりとりを読み直してみることをおすすめします。
初対面で距離が近いメッセージの違和感
ネットワークビジネスに携わっている人の多くは、LINEのやり取りを通じて、初対面でもグッと距離を縮めてくるのが特徴です。「○○ちゃんって、本当に素敵だよね」「ずっと話したかったんだよね」「他の人とは違うって思ってた」など、まるで親友のようなテンションで接してくることがあります。
これは“信頼関係の構築”というより、“心理的ハードルを下げるための演出”であることが多いです。実際にはあなた個人に特別な興味があるのではなく、あくまで“ビジネスの対象”として接しているだけ、というケースも。
特に、LINE交換後すぐに「今度ご飯行こうよ!」「一緒に成功したいと思ってる」などと誘ってくる場合は、かなり高い確率で何かしらのビジネス目的があると考えて間違いありません。
本当に信頼できる人であれば、まずは時間をかけて関係を築こうとします。出会って間もないのにやたらと距離が近いと感じたら、一度立ち止まって冷静に対応しましょう。
LINEオープンチャットの使い方に注意
最近では、LINEのオープンチャット機能を利用したネットワークビジネスの勧誘も増えてきています。オープンチャットとは、共通の興味やテーマでつながることができる匿名のグループチャット機能で、誰でも自由に参加・退出できるのが特徴です。
一見すると「副業初心者の集まり」や「自由な働き方を実現する仲間たち」といった健全なグループに見えますが、実際にはネットワークビジネスの“潜伏拠点”になっていることが少なくありません。
グループ内では、経験者による「成功体験のシェア」や「お得な情報」と称した投稿が行われ、雰囲気に飲まれてつい話を聞いてみたくなる仕組みが整えられています。そこから個別LINEへの誘導が始まり、ビジネスの話へと移行していくのが典型的なパターンです。
オープンチャットに入る際は、グループの管理者やメンバーの発言内容をよく観察しましょう。「ビジネス」「収入」「自由」「時間」などの言葉が頻繁に出てくる場合は、警戒する必要があります。
収入証拠のスクショの真偽を見抜く
LINEやSNS上でよく見かけるのが「これ、私の今月の収入です!」といったスクリーンショットの投稿です。たとえば銀行アプリの画面やペイメント履歴の写真などが使われ、「これだけ稼げるようになりました!」とアピールされています。
しかし、これらの画像は本物とは限りません。編集アプリやスクショ加工ツールを使えば、金額や日付を簡単に改ざんすることができます。実際に、同じスクショが複数の勧誘者によって使い回されているケースもあるほどです。
また、「収入証拠」だけを見せて、仕事内容や時間的な負担、必要な出費については一切語られない場合も要注意です。これは、都合の良い情報だけを見せて判断を誘導しようとする“情報操作”の一種です。
収入報告だけで判断するのではなく、そのビジネスに関わる“全体像”を確認するようにしましょう。そして、相手の言葉をそのまま信じるのではなく、必ず第三者の情報源(口コミ・レビュー・消費者庁など)もチェックする習慣を持ちましょう。
本当に安心できる副業を選ぶ方法
ネットワークビジネスに巻き込まれないためには、最初から「安全な副業」を見極める力が大切です。以下のようなチェックポイントを参考にして、信頼できる仕事を選びましょう。
項目 | 確認すべきポイント |
---|---|
仕事内容 | 具体的な作業内容が説明されているか |
報酬体系 | 収入がどのように得られるのか明示されているか |
初期費用 | 登録料や教材費などの支払いが求められないか |
勧誘行為 | 他人への紹介が必須条件になっていないか |
会社の実態 | 運営会社の住所・電話番号・代表者名などが公開されているか |
加えて、国や自治体が運営する副業支援サイトや、クラウドソーシングサービス(例:クラウドワークス・ランサーズ)なども活用することで、安全な副業を見つけやすくなります。
「簡単に稼げる」「誰でもできる」「ノーリスク」などのうたい文句には必ず裏があります。本当に安心して続けられる仕事は、しっかりとした説明と透明性のある運営があるはずです。
まとめ:LINE×ネットワークビジネスのリアルを見抜く力をつけよう
ネットワークビジネスは一部では合法なビジネスモデルとして存在していますが、LINEなどのSNSを使った勧誘は非常に巧妙化しており、悪質な手法が増えているのも事実です。特に、「副業」「自由」「稼げる」といった魅力的な言葉に惹かれて話を聞いてしまい、気づいたら高額な商品を購入させられたり、人間関係を悪用されたりするケースも後を絶ちません。
今回の記事では、LINEを使ったネットワークビジネス勧誘の特徴や手口、トラブル事例、そして見分け方や対処法まで詳しく解説しました。特に若年層やSNSに慣れている人ほど、「この人、良い人そう」と感じてしまい、断りにくくなってしまう傾向があります。
大切なのは、自分自身の「違和感」に気づくこと、そしてその違和感を無視せず、冷静に一歩引いて判断する力です。LINEで少しでも怪しいと感じたら、すぐに信頼できる大人や消費者センターに相談することをおすすめします。
LINEは便利なツールですが、それを悪用する人もいるという現実を知り、安心して使えるよう自衛意識を持ちましょう。